インデックスThink difficult. → 時にはショパンを… Ver.1: 2000.11.15
Ver.1.1: 2003.11.03
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アリゾナ州ウォルナット峡谷公園

時にはショパンを奏でるように

  まずはじめに、お礼である。 我輩の前作「真・窓と林檎の物語」が去る10月28日、 ついに100万アクセスを達成した。 更新終了時に45万であったから、半分以上は終了後に読んでもらったことになる。 誠にありがとうございました、なのである。 毎日更新のニュースサイトや、ましてアダルトサイトならともかく、 単に字が書いてあるだけの個人ページで100万ものアクセスを頂いたことに自分でも驚く事しきりである (しかも更新は2年近く前に終わっているというのに)。 さらに、この"Think difficult."も数日前に20万ヒットを達成し、ありがたい限りである。 この感謝の気持ちを忘れずに、これからも日々精進していきたいものであることよ。

  さらにさらに、前回「名前のない世界」はいつになく多くの感想メールを頂いたので、 ありがとうございました、なのである。それらのいくつかを我輩の考えとともに載せておいたので、 興味のある方はどうぞ(下の方に追加しといた)。

  さてさて、調子に乗ってMac OS Xのスティッキーズで書いていたら、 せっかくたくさん書いたのに吹っ飛んでしまった。 頼むからちゃんと保存してくれ。 それ以外にも新規メモが開けなかったりと新スティッキーズはいろいろと怪しい。 で、その代わりにTextEditで書いてみた。こちらの方がまだ怪しむべき点は少ないようである。 それにしても、日本語フォントが美しく表示されるだけで、 こうまで文章がスラスラ書けるものかと驚きの連続である。 「文書の一つ二つ吹っ飛んでもまた書けばいいか」という気にさせる、 我輩にはそれくらいの感動を与えているぞ。本当だ。

  というわけで、今回のコラムは当初はMac OS Xについて早速の感想を準備していたのだが、 使い込むに従ってあまりに深い深い問題が横たわっていることに気付き、後回しにした (いかん、思わずの癖で強調デカ字を使ってしまった)。 というわけで、とりあえず「セキブンと理想」やOS Xの件はさておいて、 ずっと前に書いておいた、読む人によって意見がいろいろわかれるであろうお話をすることにしておく。 というか、単なる好みに依存する部分がほとんどかもしれない。 それはキーボードについてである。

  まず、我輩が考える理想のキータイピングというものとは? それは、柔らかで自然で流麗なタッチである。 まるで

あるいは でないといけない。 間違っても あるいは であってはいけない。

  皆の衆の周りにもきっといるであろう、やたらとタイプ音のデカい輩が。 20年目にしてようやく見つけた親の仇のように激烈にキーボードを連打したところで、 腱鞘炎になるか、キーボードが寿命を迎えるか、周りの奴から疎まれるかのどれかである。 しかも、音のデカさと入力のスピードにはほとんど関係はないようである。

  ダダダッと猛烈な勢いでキーボードを操作(というよりキーボードとの決戦、死闘という方が正しい気がする)している輩を後ろから覗いてみると、 何のことはない、タイプミスが多くてデリートキーを叩きまくっているだけだったりする。 紛らわしいことするなよ、全くもう。 ひどい奴になると10回に5回はデリートキー押してるぞ。 さっきから全然先に進んでいないではないか。 全く、タイプミスの多い輩はおとなしく静かにタイプしてろ。 うるさくても速ければまだ許す気になるが、うるさくて遅いのは救いようがない。

  マイケル・ジョンソンもそうだが、 「真に速い奴」とは一見たいして速そうではないのに他人と一緒にして比較してみると恐ろしいほどに速い、 というものなのである。 軽々とごく自然にやっているのが、結局最も理にかなっているというわけだ。

  熱力学的に考えても、音を立てるというのはまさに無駄である。 キータイプという動作が

「キーを下方向に移動させ、接点を導通させることでコンピュータに信号を送る」
という目的を持つ限り、音はまったく必要とされていない。 別に音の大きさで入力するわけではないのである。 つまり、音というものはキータイプという動作に附随して発生する副産物であり、 別に必要に応じてつくり出されたものではない。 まあ、タイプ音があった方が一つ一つの入力を確認できるという意味はあるだろうが、 あまりにデカい音を出す輩はやっぱり困り者だ。

  そもそも音とは何ぞや?と言えば、指からキーに伝えられた運動エネルギーがキーボードで振動エネルギーに変化し、音となって空気中を伝わってくるものである。 音、つまり空気の振動は、やがて摩擦によって減衰し最終的には熱になる(そのあたりの気体分子の平均速度がちょっとだけ上がるわけだな)。 この熱は結局のところ、キーボードから信号を入力するという動作には何も役立っていないのであり、まったくの無駄である。 要するに、デカい音を出す奴は物理学的にもはっきりと無駄な存在なのだ。 心当たりのある人は、早速今日から自覚を持ってキーボードに向かってほしいもんである。

  ところで、我輩のあくなき理想の追求は、単にタイピングだけに留まらない。 例えば、プログラミングの最中についてである。 うんうん唸りながら、あーでもないこーでもないと考え考え作業を進めているうちは、 まだまだ二流のプログラマなのである。 我輩が考える清く正しいプログラマというものは、 まるで詩人が湧き出でる感情のままに高らかに詩を吟ずるかのごとく、 流麗さと優雅さを持ってすらすらとコードを紡ぎ出すものなのだ。 我輩がそうであるといっているわけではないぞ。あくまで理想だ。

  で、我輩が追い求める理想について書くのはこれくらいにしておいて、 以下に我輩愛用のキーボードを3つだけあげておくのである。 我輩はこれらのキーボードを駆使して、本やらTDの文章やらを書き上げているのだ。 特徴としては、キートップが英語で、Aの隣にCtrlキーがある点が共通している。

第3位 HHK Lite(PC用)


Happy Hacking Keyboard Lite
HHKとはHappy Hacking Keyboardの略である。NHKとは関係ない。 我輩は、優先順位の低いマシンにはこのキーボードを割り当てて使っている。 大きさは元祖HHKと同じでA4の紙を縦長に半分に折ったくらいのサイズであるが、 元祖よりちょっと厚ぼったい感じである。 タッチはやっぱりLiteだけあって元祖よりはちょっと劣るし、 タイプ音もでかくて気になる。 まあ、それでも巷の安物キーボードよりはずっと使いやすいが。 値段は7000円くらいだったかな。いちおう2個持っている。

第2位 元祖HHK(PC,Mac,SUN用)


Happy Hacking Keyboard
元祖HHKである。高いだけあってタッチは我輩好みであり、柔らかくて静かである。 MacとPCを切り替えて使っている。 さすがに自宅にSUNのマシンはないぞ(ケースだけは持っているが)。 HHK Liteもそうだが、カーソルキーやファンクションキーなどは単独のキーになっていないので、 コンパクトで使いやすい。 これくらい小さいと、狭い場所でもキーボードのすぐ横にマウスが置けるので便利である。 確か、15800円だと思ったなあ。適正価格は8000円くらいだと思うが、 高くても買う人は買うと思って安くしないんだろう (もしPS/2に接続できるNeXTキーボードがあればHHKなんかイチコロだぞ)。

第1位 NeXT Keyboard(ADB)


NeXT Keyboard(ADB版)
我輩の愛用ランキング1位は、なんといってもNeXTキーボードである。 というわけで、この文章を書いているのもNeXTキーボードである。 このキーボードには2種類あり、我輩愛用のものは前期(?)型である。 前期型はリターンキーが横長で、Helpキーにはその名の通りHelpと書いてある。 我輩はずっと前に秋葉棺、もとい、秋葉館で安売りしてた時に前期型を12800円で買った。 しばらくしてから、別の店でもうひとつ9800円で買ったが、 よく見たらリターンキーが縦長でがっくり来た(こっちが後期型で多く出回ってるようだ)。 キータッチは同じなのでその点はいいのだが、 リターンキーは明らかに遠くて使いにくくなっている。 他にも、キートップがいろいろ怪しいマークになっていて、 例えばHelpキーのキートップがiマーク(Infoの略か?)になっていたりして、 なんか変である。 前期型だったらもう2、3個ストックしておきたいところだが、なかなか見かけないのう。

Think difficult. 作成風景

  上にあげた3種類(というかほとんど2種類だが)を混ぜ合わせて、 より素晴らしいキーボードをどこかが開発してくれないだろうか。 独立したカーソルキー、テンキー、ファンクションキーなどは一切要らないし、 キートップは英語だけがいいし、色は黒がいい(半透明はいらん)。 要するに、NeXTキーボードのカーソルキーから右を切り落とせばそれでいいのだ。 しかし、これから売るならインタフェースはPS/2やADBよりはUSBの方がいいだろうな。

  コンピュータ関連の製品の中でも、キーボードほど個人の好き嫌いがハッキリ出るモノも珍しい。 我輩は基本的に「柔らかくて静かなタッチ」が好きなので、NeXT鍵盤やHHKとなるわけだが、 そうでない人もたくさんいる。 ちょっとWWWを彷徨えばすぐ見つかるが

「NeXTキーボードを買ったが、なんじゃこのフニャフニャのタッチは?大失敗じゃ!」
という人もいるし、メカニカル接点方式が好きで、 いつも律儀にカチカチカチカチしてないとダメな人もいる。 世の中は広いものであることよ。 我輩は常日頃から「人のいうことを信じる前に、必ず自分で試してみろ」と申しておるが、 キーボードを買う時は特にそうだぞ。

  というわけで、汝のキーボードを愛し、道路工事のように打ちまくるのではなく、 時にはショパンを奏でるように、キーボードから妙なる調べを奏でたいものである。

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