Tales of Mados & Ringos / 真・窓と林檎の物語
トップ窓と林檎 → 至上主義… 1997.12.01

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真・窓と林檎の物語
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至上主義と市場主義

  さてさて、今宵は操作系統そのものの差についてではなく、 それを扱う人々の差について書いていくことにする。 以前『シェアの数字の幻想』の中で、 「窓際と林檎のマシンで明らかに使用頻度、活用度が違うのではないか」 という話で少し触れたのだが、これら両者のプラットフォームを扱う人々に気質に、 ちぺっと差があるのではないか、ということである。

  林檎ユーザの中には、イスラム原理主義のような、 林檎至上主義を唱える者もいる。 ちょっと困ったちゃんである。 ヒトというのは、自分が見たり伝え聞いたりした、 ごくわずかな部分から全体を想像するものなのだ。 窓際族の人が3人の林檎かじりに会い、そのうち2人が至上主義なぞ唱えていたら、 「林檎ユーザはかなりの確率で危ない奴だ」という認識を持たれて当然だ。 逆に林檎かじりが3人の窓際族に会い、そのうち2人が 「林檎?そんなん、シェアあんの?」と市場主義であれば、 「窓際族は、自分に役立つかどうかではなく、 他人が持っているかどうかでしかマシンを判断できない情けない奴だ」 と思われるのも当然だ。 つまるところ、周囲に接する時のそなたの態度が、 一般的に形成されている、 このような「ユーザの印象」というのを大きく左右しているのだ。 これが潜在的な印象として擦り込まれた状態で議論を始めると、実に不毛である。

  よく、「林檎かじりはたいてい. . . .」「窓際族ときたら . . . .」などと、 非常に断定的で全てのユーザがそのような状態であるかのような戯言を吐く輩がいるが、 その手の輩がなかなか撲滅されないのは困ったものである。 日常と違い、網間では文字を介したコミュニケーションの機会が非常に多いため、 そういう輩と関わると、ちゃんとした議論もあっと言う間に感情論になり、 単なる悪口合戦で終ることになる。 そもそも議論というものは、相手が正しければ潔く自分の非を認め、 考えを変える心構えのある者しか、参加してはいけないのだ。 逆に自分が正しいと思うのなら、その理由を相手にわからせて、 その反論を押え込まないといけない。 相手の誤字脱字を注意したり、ささいな知識の欠落を、 いかにも「ほら、何もわかってない!」とまくしたてたりする事にだけ熱心な奴とは議論してはいけない。 不毛なだけだ。

  議論というのは生き物なので、あっと言う間に論点がずれ、 攻勢が守勢に回ったり、 具体的な話のはずが、いつの間にかとんでもない一般論が出てたりする。 皆の衆も、操作系統について議論する時は、今、何について話し、何について比較し、何が原因で何が結果なのかをよ〜く区別しながら進めるのじゃ。 単なる子供の喧嘩にしてはいかんぞ。

  で、またYahoo Japanに登録されているユーザのウェブページのお話をしてみよう。 ウェブページを持ち、内容を用意し、メンテナンスを続ける事は、 ある程度の技術と熱意を必要とするため、 Yahooでその数を数えることはユーザの熱意や積極性を測る有効な手段と考えられる。 Yahoo Japanでは重複する様々なカテゴリがあるので、 スパッ!と綺麗に窓際と林檎関連に分類できないのが残念だが、 とりあえず「操作系統」や「堅物」、「使用者集団」のカテゴリなど、 関連しそうな所を覗きまわって、両者の数を数えてみるとどうであろうか?

  う〜む、合計すると林檎の方が少し多いのは果して気のせいだろうか? どうして、 5%の販売シェアのマシンがユーザのウェブページ数でYahooの過半数を取っているのだ? これにはいくつかの理由が考えられる。

  1. 実は窓際マシンは公表される台数の10分の1しか出荷されていない
  2. 実は窓際ユーザは恥ずかしがり屋で自らホームページを世界に公開するなどなかなかできない
  3. 実は窓際でホームページを作るには人間国宝的技術を要する
  4. 実は窓際マシンは売れているだけで誰も真面目に使っていない
これは全て窓際に原因がある場合だが、 窓際には何の問題もなく、全ては林檎側の問題なのかもしれない。 そうであれば、このような原因が思いつくであろう。
  1. 実は林檎マシンは公表される台数の10倍も出荷されている
  2. 実は林檎ユーザは皆、自己主張が強く、自らウェブページを世界に公開しないと気が済まない
  3. 実は林檎でウェブページを作るには幼稚園の工作程度の技術で十分である
  4. 実は林檎は売れていないが皆が真面目に使っている
なかなかに凶悪な原因ばかりのような気もするが、全てがハズレ、というわけではない。 実際のところ、2と4が原因のかなり大きな部分ではないだろうか。

  実際、個人の運営するニュースサイトや、我輩のようなコラムを載せているページが林檎系に圧倒的に多いのに対し、窓際族にそのようなサイトがほとんど存在しないことからも、個人に活用される度合いに差があることは明らかだ。やはり、使われるのには理由があるのだ。

  ま、こういうことをちゃんと数字を使って納得させようと思えば、 ユーザの職業や年齢、性別や家庭環境、趣味、 経済状況などいろんな事をちまちまとチェックする必要があるが、 我輩はそれほど暇ではないので、てきとーに理由について思いをめぐらすだけである。 よく聞く説明としては、 「林檎かじりはデザインや印刷・出版、クリエータなる、いわゆる主張型の職業の輩が多いのに対し、 窓際族は主張の薄い事務系サラリーマンが多いので、主張の押しの強さに差があるのだ」とか、 「林檎は少数派なので集団の結束が硬く、初心者に対する面倒見がいいためだ」とか、 あるいは「窓際マシンは会社で使うだけで、家では持ってるけど使わない」とか、 いろいろある。 どれも当たらじとも遠からじ、という気がするが、 このへんは数十万人規模で調査をしてみないとはっきりした原因は特定できないかも知れぬ。 雑誌やWWW上の調査では簡単にバイアスがかけられるから、 調査したところで信頼度はマイナス120%だ。 だから、ごくおおまかな結論としては、至上主義的傾向や市場主義的傾向を持つ輩がいる、 という程度のことしか言えん。

  ところで、聞くところによると、最近ウェブページで最新情報を毎日「発進!」している人がいるそうだ。 お〜い、どこに飛んでくんだよう? ま、「発振」しててうるさかったり、「発疹」してかゆそうだったりするのよりはマシか。

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