Tales of Mados & Ringos / 真・窓と林檎の物語
トップ窓と林檎 → 当世ねずみ… 1997.11.03

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真・窓と林檎の物語
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当世ねずみ気質

  さて、今回はいろいろな操作系統に巣食う愛しのねずみ達の生活にスポットを当てる。

  で、大きな題材としては、ねずみの歯は何本あるか、 ということが第一にあげられるであろう。 林檎につながれているねずみには一本、 窓際に巣食うねずみ達は二本、 単系上の罰窓達に至っては三本ある。 前歯がそれ以上あるねずみを我輩は見たことはないものの、 南米ギアナ高地では前歯が九本もあるねずみが生息しているという未確認の目撃情報もある。全くもって地球は広いもんである。

  で、つまるところ、かじるには何本の前歯が最適なのであろうか。

  林檎かじり族は

一本で足りるものをなんでそれ以上複雑にするんだ?」

  一方の窓際族は

「二本あった方が便利じゃねーか。自動車だってアクセルとブレーキがあるだろ。」

  罰窓に慣れている人々は

多い方がいいんでねーけ?アクセルとブレーキとクラッチだべ。」
などと言いたい放題である。

  林檎のねずみは歯が一本なので、 その単純さを補うため2連続かじりなる一子相伝の奥技が開発された(最近の林檎では一回半かじりなる中途半端なかじり方をするねずみの飼育を奨励しているらしいが)。 窓際族のねずみは歯が2本であるため、 右と左のそれぞれの歯に別の機能を持たせ、 右でかじればいつでもメニューが出てきて食べられるようにした。 これはこれで評価できる改良である。 しかし、2連続かじりなる技も同時に真似したため、 アプリを開く時も閉じる時も2連続かじりになってしまった。 安易になんでも取り込むのはタコを招く例である。 林檎と窓際のねずみが違うのは、連続かじりのしやすさである。 ある調査で初心者にとって個人用電算機の操作で一番難しいのは、 2連続かじりであるという結果が出ている。 これは窓際族に多くありがちな現象である。 林檎では連続でかじる際に一回目と二回目のかじる位置が多少ずれてもちゃんと2連続かじり技として認識される。 実際に林檎上で100回くらいかじって試したところだと、 5ピクセル分くらいは移動しながらかじっても大丈夫なようである(もうちょっと多いかも)。 もちろん、2回のかじりの時間間隔も調節できる。 これなら、猫に追われてあわててかじっても大丈夫である。

  しかし、窓達約百では、創造主、門様の几帳面さを反映したのか、 かなり正確な黄金の指さばきが要求される。 200回くらいかじって試したところでは、 1ピクセルならずれてかじってもいいという仕様のようだ(しかし、OKだったりダメだったりする場合があって、よくわからん)。 窓際の人々は1ピクセルたりとも違うところをかじってはならんという、 まるで中世の教会の修道士のような厳格な生活を強いられていると我輩は聞いていたが、 さすがにそこまで律義ではないようだ。

「たかが5ピクセルと1ピクセルの違いではないか」
という意見もわかるが、それは野球で
「2割バッターと3割バッターは似たようなもんじゃないか」
というのと同じだ。境目がどこにあるかを的確に認識しないといけない。

  窓達約百の誤差1ピクセルでも、 2連続かじりだけに専念していればそれほど難しくもないが、 ここをかじった後にねずみが「こっちの方へ行ってみよう」などと思いながらかじっていると、 思わず足元をすくわれたりするので気がぬけない。 初心者の壁になるもの理解できる。 我輩も、窓際で2回かじって窓が開くのをじっと待っていたら、 2連続のコンビネーション技として認識されてなかったということが何回もあった。

  さらに罰窓では前歯が三本もあるが、 決して全て有効に使われているとは思えない。 例えば、罰窓上の「まん中の歯でペースト」というのも、 「とりあえず歯が余ってるからかじっとくか。」とも言うべき、 まさに取ってつけたような歯である(差し歯か?)。

  そもそも、歯が三本ないとかじれないような操作というのが思い浮かばない。 カット&ペーストも、 林檎のように「食わえて落とす攻撃」が何に対しても出来れば、いちいちクリップボードへコピーする必要さえないし、実に理解しやすい。 なぜなら、移動するべき内容が実際に移動して行って目的の位置に置かれるのを目で確認しながら作業できるからだ。これは精神衛生上および人格形成上、誠によろしい。 こんなもん、「今、ファイルAをフォルダBに移動中です」などと文章で説明されるより、実際に見た目でわかる方が理解しやすいのは明らかである。 「百聞は一見にしかず」が日本だけでなく異国の地でも諺になっているのは、 それが真理だからである。 別に「まり」という女の人のことではないぞ。

  では、歯はやっぱり一本で十分なのかというと、 我輩はそうとも言えないと思う。 他の熱心な林檎愛好者ならそういうかも知れんが、 我輩は最初に触れたねずみ付き機械(もちろん窓ではない)が二本の歯で比較的まともにかじっていたため、二本の歯に否定的ではない。 さすがに三本目の歯は余分だと思うが。 しかし、実際に使い勝手を決定する重要な要素は、 前歯の数ではなくねずみの足回り(=加速度)にあったりする。 ねずみをパッドの上で10cm動かすのにも、 速く動かした場合と遅く動かした場合とで、画面上の移動量が異なっているのを知っている輩も多いであろう。 この加速度の使い方は林檎をかじっているねずみが群を抜いている。 かなり速く動く設定にしていても、止めたいところですぐ止まる。 いちおう窓際でも速度は調整できるのだが、 いまいちしっくり来ない。 ずっと窓際で暮らしていればそれも気にならんかも知れんが、 林檎を使った後だと、2連続かじり技のコンビネーションの出にくさとあいまって、 相当気になる。 さらに罰窓では加速度なんて全く考えてないんじゃないかと思うくらい使いにくい(実際には考えてはいるようだが、有効に使われてるとは到底思えん)。

  しかし、罰窓が圧倒的に優れている点が一つある。 これは林檎はおろか、それよりほんの少しだけタスク処理がまっとうな窓達約百でもやはり遠く及ばない。が、ここらへんについてはタスク管理が大きく絡んでくるので、 今後のコラムで詳しく取り上げることにする。

  さて、そなたのねずみは今日も元気に走り回っておるかな?

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