欠点を利点に
2005.01.18 18:06
iPod Shuffleを見て、「カトちゃんペ!」の裏話を思い出した。
以前、TVで加藤茶が「カトちゃんぺ!」というギャグ誕生のいきさつを話していた。 それによると、コントをやっている最中につけヒゲが汗で濡れてどうしても取れてきてしまう。 最初は何気ないふりをして手で押し付け直していたが、どうしても不自然な動きになる。 そこで、思い切って
「カトちゃんぺ!!」といいながら、どうどうと鼻の下を押さえて、付けヒゲをくっつけなおしてみたところ、 それが大ウケしたそうな。 そのうち、付けヒゲがなくてもやるようになり、ギャグとして定着したらしい。
ギャグのふりをして、取れかかった付けヒゲを堂々と直す。 弱点、欠点であったところを、考え方を変えることで積極的に扱い、それを魅力、特長としてしまった。 見事な発想の転換である。 まあ、付けヒゲを直すのに「ペ!」という音をあてるところが、加藤茶の才能であるが。
iPod Shuffleにも、それに通じるところがある。 小さい本体には、操作性や液晶画面を求めるのは無理がある。 だからこそ、その欠点を堂々と受け入れて、逆にランダム再生をメインのセールスポイントとして売り込んだ。 ランダムだから、曲名が見える必要もないし、聴きたくない曲なら飛ばして次の曲に行けば済む。 「好きな曲ばかり入れてあるんだから、どれが鳴ってもいいだろう」ということか。
フラッシュメモリの音楽プレイヤーを売っていた同業他社は
「あんなのは機能が低い。うちが何年も前に出した最初の製品以下だ!」などとぬかしている。 しかし、自分の会社はその製品をちっとも売ることができなかったくせに、Appleが売りまくってから文句を言っても遅いのだ。
AppleはMSとの長い戦いの中で、技術だけでなく「売り方」が勝負を大きく左右すると学んできたようだ。