S4L/まえがき

[全文引用]

 いきなりですが、本書はShade for Linuxのマニュアルではありません。 Shade for Linuxにはすばらしいマニュアル(PDF版)がついていますし、 巷にはマニュアル代りに使えるShade解説本もすでにたくさんありますから、 今さら私が書いても何の役にも立ちません。

 そこで、マニュアル的に全てを網羅して説明することはあきらめ、 Shadeを使っていく上で出てきた順、必要になった順に解説することにしました。 ”難しいこと、すぐ使わないことはなるべく後回しにする”という普段の生活でもよくあるパターンです。 今必要ないなら無理にそこで説明する必要もないし、 本当に必要になったら少々ややこしくても読者も取り組まざるをえないであろう、 そこで初めて説明すればいいや、という実に合理的な判断に基づいています。 ですから、気になる章を拾い読みというよりは、せひ最初から通して読んでください。 章や節のタイトルも、個性的にしてあります。

 さらに、説明が煩雑になりすぎない範囲で、なるべく「なぜ?」という疑問に答えられるように書いてみました。 例えば、
 ・自由曲面の自由って? 不自由な曲面もあるの?
 ・この形からこっちにどうして変換できないの?
 ・分散レイトレって? 何が分散してるの?
このような疑問を少しでも持ったことがおありなら、 本書を読めば多少すっきりして夜もよく眠れるようになるでしょう。 逆に「なぜ?」にこだわったあまり、紙面の都合上割愛せざるを得なかった話題もあります(アニメーションなど)。 ですから、マニュアルも手元に置いて(というか、Acrobat Readerを起動しておいて)、 本書と合わせてご覧下さい。

 加えて本書では、巷のShade本にはない、 ShadeやCG全般についての参考資料リスト(巻末)を充実させました。 本書で触れた話題について興味を持たれた方が、 それについてもっと知るためのポインタとして役立てていただけると思います。

 なお、このまえがきと違い、本文の方の私の文体には多少クセがありますから、 あらかじめ立ち読みして拒絶反応が出ないかチェックすることをお勧めします。

 最後になりましたが、 本書の原稿について貴重なご意見を下さった春山氏、小林氏、綿引氏に感謝するとともに、 LinuxやGNU、およびオープンソースソフトウェアに関連する全ての方々へ感謝の意を表したいと思います。

 窓の下に夏の太平洋を望みつつ...

梅津 信幸