仕事を加速する技術/まえがき「ああ、今週もバタバタしててあまり進まなかった…」 「この書類、今日も手がつけられなかったなぁ」 なぜ、日々の仕事はなかなか進んでいかないのだろう? 原因は三つある。
本書は、これら三つの原因に対して、一番と二番を解決し、三番目を半分くらい解決するための本である。 現在、非常に多くの仕事が、「頭の中」で進められるようになっている。 より多くの人が「頭脳労働者」化しているのである。 しかし、ほとんどの職場では、効率化が間違った方向に向かっている。 例で考えてみよう。 15パズルという遊びがある。 ![]() 4×4の16枚分の大きさに、15枚のピースが入っている。 この一枚分のすき間があるからこそ、ピースが動かせ、パズルが成り立っている。 「あ、ここにすき間があるじゃないか! もう一枚入れてしまえ」 これで、枚数が15→16枚になり、効率は1/15 = 6.7%アップしたように見える。 この瞬間だけは。 多くの職場で(あるいは、個人単位で)起こっているのは、まさにこういうことである。 「すき間」の重要さに気づかず、見た目の効率だけを考えて動いていくと、全体としての効率が下がってしまう。 仕事を詰め込まず、少し減らしてみよう。 とたんに、あちこちがうまく回って、早くこなせるようになる。 しかし、仕事を「詰め込まない」なんて、そんなことができるのか? 今より少しだけ早く、仕事が「進む」技術があれば、それは可能である。 仕事が進まない三つの原因「二重デコード」「見積もりができない」「いつもに先送り」。 これらの解決には、仕事の「ストーリー化」が重要となる。 ストーリーとは、「モノゴトのつながり」と「時間軸」を組み合わせたものである。 モノゴトのつながり × 時間軸 = ストーリー
本書では、そのストーリー化のために
という三つの方法を説明する。 21世紀に活躍する頭脳労働のプロフェッショナルたちにとって、本書がたとえ断片なりとも役立てば幸いである。 |