なぜコンピュータの画像はリアルに見えるのか/もくじ

  • まえがき

プロローグ ― なぜ視覚が重要視されるのか?

人間は5つの感覚器を持つ/「直接触れずにわかる」という優位/視覚が特別扱いされるわけ/人間の目、 デジタルカメラの目

第1 章 あなたの目が「見て」いるもの ― 外界についての最強の探知機

  1. 波とは何か?
     「動き」が波を生み出す/「何が」動くかで波を区別する/「どのように」動かで波を区別する/人の目に見える「光」と見えない「線」
  2. 光をとらえる目のはたらき
     「目が良い」とは?/網膜は脳の出張所/目の錯覚――脳が映像を「見る」ときのクセ
  3. ヒトの3原色、鳥の4原色
     3原色で「見える」しくみ/違うしくみで見ている同じ色/鳥や昆虫には違う世界が見えている/光るものとそれを遮るもの/光の3原色と色の3原色
  4. 光の進み方のふしぎな性質
     光は何もなければまっすぐ進む/反射したり屈折したり/光は最短ルートを通る/物質を変化させる紫外線/熱を運ぶ遠赤外線
  5. 身の回りにある光についての疑問
     光は横からどう見える?/黒点は実際に「黒い」?/メガネが曇ると白くなり、服が濡れると黒くなる/目が大きさを感じるしくみ/見えないものを見る道具(1)―顕微鏡/見えないものを見る道具(2)―望遠鏡/奥行きのある世界を認識する―立体視/星はどれくらい遠くにあるか―年周視差/コンタクトレンズとメガネ/目の大きさが印象を左右する
  • Column.1 移す、写す、映す 2.見せるための道具の進化

第2章 碁石を並べて絵を描く ― 絵や文字を見せるためのシステム

  1. コンピュータが画像を扱う2つの方向
     取り出すCG、入れるCV/英作文と英文読解はゴールが違う/外の世界からコンピュータの中へ/コンピュータの中から外の世界へ
  2. 見せるための道具の進化
     砂の上からディスプレイまで/安くて電源不要なディスプレイ―紙/光るブラウン管(CRT)/さえぎる液晶
  3. 碁石で形を描く ― デジタルな点と線
     絵画の世界の2つの描き方/ベクターは物体を描き分ける/ラスターは並べたマス目に色を割り当てる/すべての多角形は三角形の集まり/ラスターとベクターの共存―PDFという成功例/ギザギザのピクセルが目立たないわけ
  4. 光景のメモ道具 ― デジタルカメラ
     光のようすをそのまま記録できる大発明/デジタルカメラは何を「撮って」いる?
  5. 図形問題いろいろ
     4色問題とコンピュータの活躍/オイラーの一筆書き/サンタクロース問題/コンパスで円を描いて、相対性理論で補正 ― GPS
  • Column.2 光学迷彩

第3章 偉大なるふとん圧縮袋 ― JPEGという画像のルール

  1. 限界に挑戦した男シャノン
     「ふとん圧縮袋」――意味を保ったままサイズを小さくする/天気を0と1で記録する/天気やサイコロの目の情報量/0と1で信号をどこまで短くできるか?/元に戻らない圧縮データを作る意味
  2. 現代の魔法JPEG
     現代の名工たち/JPEG作りに精魂こめて/かたまりを波として取り出す/細かいことは水に流す/JPEGを超えるには?
  3. 紙とエンピツで画像処理をやってみる ― フィルタという機能
     体験学習の時間です/ぼかしとは周囲に合わせること/モザイク消し機と宇宙の法則/答えではなく手順を記録する/文字を使って絵を表す ― アスキーアート
  4. コンピュータに「目」を持たせる
    「見る」とは認識すること/百聞は一見に如かず――画像で画像を探す/小さな写真を集めて、1枚の絵を作る/ないはずの情報をどうにか生み出す ― 超解像/頻出パターンを見抜く ― 量子化/データ圧縮は認識そのもの
  5. 画像は人や社会に何をもたらすか
     目は人の顔にとても敏感/画像はどこまで信頼できるか?/プライバシーという問題/著作権や「有害」な画像の扱い
  • Column.3 スクリーンセーバ

第4章 ドーナツ形をしたゲーム世界 ― コンピュータの中で生まれる立体

  1. 図形をやわらかく考える
     ユークリッド式のきちょうめんさを超えて/三角形の和は本当に180度?/「世界の果て」をプログラムする ― スクロールするゲーム/球体の現実世界とドーナツ形のゲーム世界/つながり方で分類する ― トポロジー/果てあれども境界線は見つからず
  2. 中身か境界か ― 形をデータにする
     「ハリボテ」の現実/中身のあるCGはまじめ一徹/ハリボテから中身の詰まったCGへ/3次元スキャナと3次元プリンタ
  3. 人の動きや自然界の形を再現する
     キャラクタを思い通りに動かす/CGの人間はなぜか動きが「カタイ」/自然界にあふれるフラクタル図形/「次元」とは何かが増えていくようす/雪の結晶とコッホ曲線/フラクタルで自然の風景に似せる/形をそれらしく見せるルール/形なきものを「見せる」パワー ― 可視化
  • Column.4 光と陰から「かたち」を彫り上げる

第5章 光と闇を計算する ― 現代の魔術コンピュータグラフィクス

  1. コンピュータに絵を描かせる
     材料を、調理して、盛りつける ― CGの3工程/見た目は距離に反比例して小さくなる/奥行きを並べた画像 ― Zバッファ/ここに何を描くか、これはどこに描くか?/コンピュータ進化の方向転換/「光の見え方」をシミュレートする回路
  2. 雨の晩はクルマが運転しにくい
     直進、反射、屈折 ― 光の進み方3パターン/反射現象には2種類ある/反射光の成分を分解する/雨の日の路面が運転しにくいわけ
  3. 光あるところを求めて
     影(shadow)と陰(shade)/光の「産地」を追跡する/捜査が迷宮入りするとき
  4. 'いまそこにある奇跡 ― やわらかな光を生み出す''
     絵画のような、やわらかな影/「方程式なんか役に立つの?」
  • Column.5 CGを見抜くコツ

エピローグ ― コンピュータを見つめる目

現代人は本当に優れているのか/すべてがプログラミングに近づく/あなたという人間を見つめる「目」

参考図書

  • 一般向け/写真・絵画/数学・CGなどの専門書/その他の書籍
  • CGで有名な映画

付録 紙と鉛筆で画像処理をやってみる