「未来をつくった人々」

2004-12-05 11:56:19 (5402d)

今宵はこの本を紹介しよう。 というか、我輩自体も2年前に「あなコン」の読者から「この本は参考図書に入れないんですか?」と指摘されて知った。

本書は、一言で言えばXEROXパロアルト研究所での、コンピュータ開発の物語である。 原題は"Dealers of Lightning"である。こっちの方がかっこいいのは、言うまでもない。

先に、イマイチな点から書こう。 残念ながら、訳はあまりよくない。元の英文が透けて見えるような部分が多々ある。 また、最初の100ページがつまらない(全体は570ページある)。 他にも、ところどころ「政治的なかけひき」についての記述があるが、我輩はそういうのに興味がない。 というわけで、政治っぽい話を抜いて合計で300ページにしたら、もっと素晴らしい本になっただろう。

というような点を指し引いても、この本は面白い。特に、Alan Kayが出てきてからAltoが作られるあたりが。

この本を読んでわかるのは、XEROXはコピー機が売れていたばかりに、研究所にこれだけ金をつぎ込めた、ということ。 そして、コピー機が売れていたばかりに、その研究所で生まれた金のなるタネを、すべて見過ごしてしまった、ということ。 一般ユーザ向けのGUI、レーザープリンタ、イーサネット、 ポストスクリプト(DTP)。 現代のオフィスにあるものの多くは、パロアルトに起源があるというのに。 XEROXはそのどれも自分のものにできなかった。